行政・法律の疑問 読了 4分

勝手に写真を撮っちゃダメ!でも「例外」はあるよっていう判例【京都府学連デモ事件】

★ 判例データ

事件名:公務執行妨害、傷害被告事件(京都府学連デモ事件)
裁判所:最高裁判所大法廷
判決日:昭和44年12月24日

関係法令:
・日本国憲法13条(幸福追求権・包括的基本権)
・刑事訴訟法(令状主義)

論点:
・肖像権(顔や姿を撮られない自由)
・幸福追求権(憲法13条)
・令状なしの警察による写真撮影の合憲性

結論:
・「みだりに容ぼう・姿態を撮影されない自由」を憲法13条から導き、肖像権を初めて認めた
・ただし犯罪証拠保全の必要など厳格な要件を満たす場合は令状なし撮影も許容

こんにちは! 今日は、みんなの「顔」や「姿」を守るための大切なルールについてのお話だよ。 「警察官が勝手にカメラでパシャパシャ撮ってくるのは、憲法(けんぽう)違反じゃないの?」というギモンに、最高裁判所が初めて答えた歴史的な事件を見てみよう。

【ストーリー】「勝手に撮るな!」 vs 「証拠を残さなきゃ!」

学生のAさんたち

私たちは、自分たちの意見を伝えるためにデモ行進をしています。これは大切な「表現(ひょうげん)の自由」です!
警察官

君たちのデモは、役所が出した「許可(きょか)」の条件を破っていますよ。コースを外れたり、危ない歩き方をしたりしていますね。証拠(しょうこ)として、その様子を写真に撮らせてもらいます!
学生のAさん

ちょっと待ってください! 裁判所(さいばんしょ)の許可(令状:れいじょう)もなしに、私たちの顔を勝手に撮るなんてひどすぎます。憲法13条には「幸福(こうふく)を追求(ついきゅう)する権利」があるはず。自分の顔を勝手に撮られない自由だって、そこに含まれているはずだ!
警察官

デモがルール違反をしている以上、それを記録するのは警察の大事な仕事です。いちいち許可なんて取っていたら、証拠が消えてしまいます!

【解説】裁判所でのバトル:登場!「顔を守る権利(肖像権の卵)」

今回のバトルのポイントは、憲法13条という「魔法のポケット(包括的基本権)」から、新しい権利が飛び出すかどうかだったんだ。

それまでの日本には、自分の顔を勝手に撮られない権利、いわゆる「肖像権(しょうぞうけん)」という言葉ははっきり決まっていなかった。でも、裁判所はこう考えたんだ。

「人間には、誰だって自分の顔や姿を、理由もなく勝手に撮られたり、見せ物にされたりしたくないという気持ちがあるよね。これは、憲法が守っている『自由』の大切な一部なんだよ」って。

ただし、裁判所は同時に「例外のクッション」も置いたんだ。 「警察官が写真を撮るとき、①現に犯罪が行われている最中だったり、②証拠をすぐに残す必要があったり、③撮り方が相当(やりすぎじゃない)であれば、それは『みんなの安全』のために許される場合があるんだ」と判断したんだよ。

【判決】勝手に撮られない自由はある!でも、犯罪の証拠ならOKなこともある。

最高裁判所大法廷(昭和44年12月24日)は、次のような答えを出しました。

1. 「勝手に撮られない自由」を憲法上の権利として認めた! 憲法13条を根拠に、承諾(しょうだく)なしに、みだりに容ぼう(顔)や姿態(姿)を撮影されない自由があることをはっきりと認めました。
2. 警察の撮影も、厳(きび)しい条件があれば認められる! 犯罪が行われているなど、緊急(きんきゅう)で正当な理由がある場合に限り、令状がなくても警察官が写真を撮ることは憲法に違反(いはん)しないと判断されました。

【判決の言葉】

補足
最高裁判所大法廷の判決(昭和44年12月24日)より
「憲法13条は、……個人の私生活上の自由の一つとして、何人も、その承諾なしに、みだりにその容ぼう・姿態を撮影されない自由を有するものというべきである。……(中略)……しかしながら、個人の有する右自由も、国家権力の行使から無制限に保護されるわけではなく、公共の福祉のため必要がある場合には、相当の制限を受けることがある。」

【追記】判決の後、日本はどう変わったの?

この判決は、今の私たちの生活にとても大きな影響を与えているよ。

「肖像権(しょうぞうけん)」という考え方が日本に定着した! この裁判がきっかけで、「人の顔を勝手に撮ることは、法律(ほうりつ)や憲法に関わる大きな問題なんだ」という意識が日本中に広まったんだ。
警察の捜査(そうさ)にルールができた! 警察がデモや事件現場で写真を撮るとき、「なんでも自由に撮っていい」わけではなく、この判決で示された「緊急性」や「やりすぎじゃないこと」という基準を守らなければならなくなったんだ。
プライバシー保護の第一歩になった! この事件は、後に「プライバシー権」や「自己情報(じこじょうほう)コントロール権」といった、自分の情報を自分で守るための新しい権利が認められていく、とても大切な第一歩になったんだよ。

まとめ

まとめ

– 憲法13条は、「自分の顔や姿を勝手に撮られない自由」を守っている
– これが、私たちが今当たり前に使っている「肖像権」の根っこになった
– ただし、「犯罪の証拠を残す」などの特別な理由があるときは、制限されることもある

SNSで友達の写真をアップするときに「許可をとらなきゃ」と思うのは、実はこの憲法のルールがみんなの心に根付いているからなんだね!

補足
条文補足:日本国憲法第十三条
すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
この判例、ほかの時代の判例ともつながっています
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