行政・法律の疑問 読了 3分

税金のルールは、役所が勝手に決めるんじゃなくて「法律」で決めるんだよっていう判例【固定資産税賦課取消請求事件】

★ 判例データ

事件名:固定資産税賦課取消請求上告事件
裁判所:最高裁判所
判決日:昭和30年3月23日

関係法令:
・憲法84条
・地方税法

論点:
・税金
・租税法律主義
・固定資産税

結論:
・地方公共団体の税金にも租税法律主義が適用され、納税義務者・課税標準・徴収手続はすべて法律(条例)に基づかなければならない

こんにちは!今日は、みんなの生活にも関わりの深い「税金(ぜいきん)」のお話だよ。
「道路をきれいにしたり、公園をつくったりするために税金が必要だ!」と役所の人に言われたら、みんなはいくら払えばいいのかな?もし、役所の人がその日の気分で「今日は君から100万円ね!」なんて勝手に決めることができたら、こわいよね。

実は、日本の憲法(けんぽう)には「税金については、みんなの代表が決めたルールがないと集めちゃダメだよ」という、とっても大事な決まりがあるんだ。今回は、そのルールが「地方の税金」にも当てはまることをはっきりさせた裁判を紹介するよ。

【ストーリー】「この税金、どうやって計算したの?」 vs 「役所の決まりでやってます!」

市民のAさん

ちょっと待ってください!役所から「固定資産税(こていしさんぜい:土地や建物にかかる税金)」を払えという通知が来ましたが、金額に納得(なっとく)がいきません。どういう計算でこの金額になったんですか?
役所の人

これは、私たちが決めた手順(てじゅん)に従って、土地の価値(かち)を計算して出した金額です。市の運営にはお金が必要なんですから、決まった通りに払ってください。
市民のAさん

その「手順」って、誰が決めたんですか?憲法84条には、税金に関することは「法律」で決めなきゃいけないって書いてあります。みんなの代表が集まる「国会」や「議会(ぎかい)」でちゃんと話し合って決めたルールに基づかないで、役所が勝手に計算方法を決めて税金を集めるのは、ルール違反じゃないですか!?
役所の人

いちいち細かい計算方法まで法律や条例(じょうれい)で決めていたら、仕事が間に合いませんよ。専門家である私たちが決めるのが一番効率的なんです。
市民のAさん

効率(こうりつ)の問題じゃありません!「誰が」「いくら」「どうやって」払うかをハッキリ決めないで税金を取るのは、私たちの財産を勝手に奪(うば)うのと同じです。裁判所のみなさん、助けてください!

【解説】裁判所でのバトル:税金の「盾(たて)」は法律だ!

裁判所

二人とも、落ち着いて。今回は、憲法が大切にしている「租税法律主義(そぜいほうりつしゅぎ)」という魔法の言葉について考えよう。

昔の王様時代には、王様が勝手に「今日から税金を10倍にする!」と決めることができた。これでは国民は安心して暮らせないよね。そこで、近代的な民主主義の国では、国民の代表が話し合って決める「法律」という盾(たて)がない限り、国は税金を取ることができないという仕組みをつくったんだ。

今回の「固定資産税」のような地方の税金でも同じことだよ。

1. 「誰が」払うのか(納税義務者)
2. 「何に対して」払うのか(課税物件)
3. 「どのくらいの割合で」払うのか(税率)
4. 「どういう手順で」集めるのか(徴収手続)

これらすべてを、あらかじめ「法律」や「条例」という形できちんと決めておかなきゃいけない。これを「税金の透明(とうめい)な地図」と呼ぼう。地図がないのに「ここを歩くからお金を払え」というのは、憲法のルールを突き破ることになるんだ。

役所の人が専門家だからといって、この地図を勝手に書き換えたり、白紙(はくし)のままにしておいたりしてはいけない、と判断したんだよ。

【判決】税金のルールはすべて「法律」に基づかなければならない!

最高裁判所(昭和30年3月23日)は、次のような答えを出しました。

1. 地方の税金も「租税法律主義」のルールを守らなきゃダメ! 憲法84条のルールは、国の税金だけでなく、地方公共団体が集める税金にも当てはまります。
2. 計算方法や手続も「法律」で決めること! 「誰が払うか」だけでなく、「課税標準(いくらに対してかけるか)」や「集める手続」も、すべて法律(条例)で定めておかなければならないと決まりました。

【判決の言葉】

補足
最高裁判所の判決(昭和30年3月23日)より
「日本国憲法の下では、租税を創設し、改廃するのはもとより、納税義務者、課税標準、徴税の手続はすべて……法律に基いて定められなければならない。」
「国又は地方公共団体が……資金を調達する目的をもって……私人に課する金銭給付は、その形式のいかんにかかわらず、憲法84条に規定する租税に当たる。」

まとめ

まとめ

– 税金を集めるには、みんなの代表が決めた「法律」や「条例」という根拠(こんきょ)が絶対に必要
– このルールのことを「租税法律主義」とよぶ
– 「誰が払うか」だけでなく、「金額の出し方」や「集め方」まで、あらかじめ決めておかなければならない
– 役所が勝手にルールを決めることは、憲法違反(ダメなこと!)なんだ

税金はみんなで社会を支えるための大切なお金。だからこそ、その使い道や集め方は、みんなで決めた「約束事」が一番大事なんだね!

補足
条文補足:日本国憲法第84条
あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする。
この判例、ほかの時代の判例ともつながっています
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