事件名:認知請求事件(トランスジェンダー女性の認知請求事件)
裁判所:最高裁判所
判決日:令和6年6月21日
関係法令:
・民法779条(認知)
・性同一性障害特例法
論点:
・性別変更後の法律上の父子関係の認定
・子どもの利益・個人の尊厳
結論:
・性別変更後であっても、生物学的な父であれば子は認知を求めることができる
こんにちは!今日は、トランスジェンダー(心と体の性別が一致しない人)の人が、性別を変えた後に授かった子どもとの「親子関係」について、最高裁判所が出したとても大切な新しい判決を紹介するよ。
法律上の性別が変わっても、血のつながった子どもとの絆(きずな)はどうなるのか? 家族のあり方を考えさせられるお話だよ。
【ストーリー】「私の親だと認めてほしい」と願う子 vs 「女性はパパになれない」という法律
私は、この「お母さん」の精子を使って生まれました。血は確実につながっているけれど、戸籍(役所の名簿)では、この人は「女性」になっています。でも、私の「お父さん」として認知(法律上の親子だと認めること)してほしいんです!
うーん、それは難しいね。今の日本の民法(みんぽう)では、お父さんになれるのは「男性」だけなんだ。この人はもう、裁判所で認められて「女性」になっている。女性が「パパ(父)」として認知することは、今のルールの仕組みにはないんだよ。
私は性別を女性に変えましたが、この子の生物学的な親であることは間違いありません。性別を変えたからといって、子どもとの法律上のつながりが断たれてしまうのは、あまりにも悲しいです。
ルールを変えるのは大変なことなんだ。女性がパパになるなんて、社会が混乱(こんらん)するかもしれないし……。
そんなのひどい! 私には、自分の親を「親だ」と胸を張って言える権利があるはずです! 裁判所のみなさん、助けてください!
【解説】裁判所でのバトル:戸籍の文字 vs 親子の真実
みんな、落ち着いて。今回は「戸籍に書いてある性別」というルールと、「血のつながった本当の親子である」という真実のどちらを優先すべきかを考えよう。
確かに、今の民法では「父」は男性を想定しているね。でも、性同一性障害特例法というクッションを使って性別を女性に変えたからといって、その人が「子どもの親である」という生物学的な事実まで消えてしまうわけではないんだ。
もし、性別を変えたことを理由に親子関係を認めないとしたら、子どもは「法律上のパパがいない」ことになって、将来困ることがたくさん出てくるよね。これは、子どもを大切にするという憲法の考え方という盾(たて)で見ても、守ってあげなきゃいけないポイントなんだ。
だから、たとえ戸籍上の性別が女性になっていても、「事実としてお父さんである」という真実を隠してはいけない。これが今の時代に合った魔法の言葉(個人の尊厳)の使い道だね。
【判決】性別が変わっていても、親子関係は認められる!
最高裁判所(令和6年6月21日)は、次のような答えを出しました。
1. 性別変更後の子であっても、認知(父子関係)は認められる! 自分の精子で子を授かったのであれば、たとえその後に法律上の性別を女性に変えていても、子はその人に対して「パパ(父)」として認めるよう求めることができると判断されました。
2. 性的少数者が「親」になる選択肢が広がった! この判決によって、トランスジェンダーの人が自分らしく生きることと、親として子どもを育てることの両方が尊重(そんちょう)されるようになったんだよ。
【判決の言葉】
最高裁判所の判決(令和6年6月21日)より要約
「自己の精子により子を懐胎(かいたい)させた者が、……(中略)……性別の取扱いの変更の審判を受けていたとしても、……(中略)……認知を求めることができると解するのが相当である。……(それにより)性的少数者が子供を持つ選択肢を広げるものである。」
まとめ
– 性別を女性に変えた人でも、自分の精子で生まれた子の「お父さん」になることができる
– ルールよりも、「血のつながった親子という真実」や「子どもの利益」が大切だと判断された
– これも、これまでに紹介した判例と同じく、「いろいろな形の家族」を認めていこうという、時代の大きな流れのひとつなんだね
どんな形でも、親子の愛が法律でもしっかり守られる社会になっていくのは、とても素敵なことだね!
条文補足:民法第779条
嫡出でない子は、その父又は母がこれを認知することができる。