事件名:広島市暴走族追放条例違反被告事件
裁判所:最高裁判所(最決)
判決日:平成19年9月18日
関係法令:
・広島市暴走族追放条例
・憲法21条1項
・憲法31条
論点:
・地方自治
・条例
・明確性の原則
結論:
・条例の「暴走族」の意味を限定解釈すれば憲法21条1項・31条に違反しない
こんにちは!今日は、広島市で作られた「暴走族(ぼうそうぞく)を街からなくそう!」というルール(条例)をめぐるお話だよ。
「こわいグループが集まるのを禁止する」というルールが、普通に集まっているだけの人まで捕まえちゃうような「あやふやなもの」になっていないか、裁判所が厳しくチェックしたんだ。
【ストーリー】「ただ集まってるだけ!」 vs 「街の平和を守るんだ!」
みんなで集まっておしゃべりしていただけなのに、警察官が来て「解散しろ!」って言ってきたんだ。広島市の「暴走族追放条例(ぼうそうぞくついほうじょうれい)」に違反してるって。
この条例では、公共の場所でみんなを不安にさせたり、怖がらせたりするような集まりを禁止しているんです。特異な格好をしたり、旗を立てたりして威勢(いせい)を示すのはダメなんです!
でも、その「暴走族」とか「不安にさせる」っていう言葉、あやふやじゃないですか? 何がダメで何がいいのかハッキリしないルールで私たちを追い出すなんて、憲法(けんぽう)が守っている「集まる自由」を無視しています!
暴走族が暴れ回ると、市民が安心して暮らせません。街の平和を守るための大切なルールなんです!
【解説】裁判所でのバトル:あやふやな「地図」はダメ!
二人とも、一度落ち着いて。今回は、法律の言葉が「あやふや」すぎていないかを考えよう。
国や市がルールを作るとき、その言葉がぼんやりしていると、国民は「何をしたら捕まるのか」が分からなくて不安になっちゃうよね。これを「あやふやな地図(不明確な規定)」と呼ぼう。地図がぼんやりしていると、どこを歩いていいか分からないのと同じだね。
特に「暴走族」という言葉の範囲が広すぎると、ただのバイク好きの集まりや、派手な服を着ているだけのグループまで「ダメだ!」と言われてしまうかもしれない。これは表現の自由という大切な盾(たて)を壊してしまうことになるんだ。
でも、裁判所は「特別なメガネ(限定解釈)」を使ってこのルールを見てみたよ。
「この条例が言っている『暴走族』とは、本当の暴走族か、それとそっくりで本当にこわい集団のことだよね」と読み替えたんだ。
そうすれば、普通の人たちを間違えて捕まえることはないから、このルールは「あやふや」とは言えないし、憲法違反でもない、と判断したんだね。
【判決】ルールは「本当にこわい集団」に限って有効!
最高裁判所(平成19年9月18日)は、次のような答えを出しました。
1. 条例の「暴走族」という言葉は、範囲を絞れば憲法違反じゃない! 言葉が少し広く見えても、社会の常識で考えて「本当の暴走族やその仲間」だと分かる範囲で使われるなら、あやふやではないと判断されました。
2. 街の安全を守るために、集まりを制限することは認められる! みんなを怖がらせるような特別な格好や行動を制限することは、自由の行き過ぎを防ぐために必要だと認められたんだよ。
【判決の言葉】
最高裁判所の決定(平成19年9月18日)より
「本条例が規制の対象としている『暴走族』は、……(中略)……本来的な意味における暴走族の外には、服装、旗、言動などにおいてこのような暴走族に類似し社会通念上これと同視することができる集団に限られるものと解され、……(中略)……本条例による規制は憲法21条1項、31条に反するとはいえない。」
まとめ
– ルールを作るときは、だれが読んでも「何がダメか」分かるような、明確な言葉を使わなきゃいけない
– 言葉が少しあやふやに見えても、裁判所が「常識的な範囲」に絞って解釈することで、憲法違反にならない場合がある
– みんなが安心して暮らせるようにすること(公共の福祉)と、個人の自由のバランスを保つのが難しいけれど大切なんだね
自由には責任が伴うし、みんなが嫌な思いをしないためのルールが必要なんだね!
条文補足:日本国憲法第21条
集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
条文補足:日本国憲法第31条
何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。