事件名:公務執行妨害被告事件(福島県教組事件)
裁判所:最高裁判所
判決日:昭和37年1月23日
関係法令:
・刑法
・自治体法
論点:
・(記事本文参照)
結論:
・記事本文参照
「公務員を直接殴らなくても『暴行』になる!? 机や椅子を使った通せんぼのルール【福島県教組事件】」
読者のみなさん、こんにちは! 今日は1962年(昭和37年)1月23日に最高裁判所が出した、「公務員本人には手を触れていないけれど、力ずくで仕事を邪魔したら罪になるの?」という裁判を紹介するよ。
「殴っていないからセーフ」という理屈が通るのか、それとも「力を使ったならアウト」なのか。今の日本の「公務執行妨害罪」の基準が決まった、とても大切な事件を見てみよう!
【ストーリー】「先生たちの抗議」 vs 「教育委員会の仕事」
「教育委員会が進めようとしている『勤務評定(先生の成績表づくり)』には反対だ! 委員会の建物に集まって、徹底的に抗議するぞ!」
「評定の会議を始めますので、中に入らせてください。これは大切な公務です。道を開けてください。」
「絶対に入らせないぞ! みんなでスクラムを組んで廊下をふさげ! 職員が持っている書類を奪い取れ! 机や椅子を動かしてバリケードを作るんだ!」
(――もみ合いになり、先生たちは職員の腕をつかんで引っ張ったり、職員が通ろうとする場所に机を押し込んだりしました。でも、職員の顔を直接殴ったりはしていませんでした――)
「ひどいじゃないか! こんな力ずくで邪魔をするなんて、公務執行妨害だ! 警察に突き出すぞ!」
「裁判官さん! 私たちは職員を殴ったり蹴ったりしていません。ただ道を防いだり、机を動かしたりしただけです。直接体に危害を加えていないなら、法律(刑法95条)の『暴行』にはあたらないはずだ!」
【解説】裁判所でのバトル:登場!「間接的なパワー」と「広い暴行」
今回のバトルのポイントは、公務執行妨害罪でいう「暴行(ぼうこう)」の範囲がどこまでなのか、ということなんだ。
1. 「暴行」のイメージ: 普通、「暴行」というと、相手を殴ったり蹴ったりすることを想像するよね。これを「直接的な暴行」というよ。
2. 魔法の考え方「間接的(かんせつてき)な暴行」: 裁判所はこう考えたよ。「公務執行妨害罪が守りたいのは、公務員が安全に、スムーズに仕事をすることだよね。だったら、本人を直接殴っていなくても、相手のすぐ近くで激しく机を動かしたり、身の回りの物を壊したりして、強い力(有形力)で圧力をかけたなら、それは『暴行』と同じだ!」と判断したんだ。
3. 「命令」だけが仕事じゃない: また、先生たちは「この仕事はただの事務作業だから、守る必要はない」とも言ったけれど、裁判所は「逮捕のような強い力を使う仕事(権力的公務)だけでなく、普通の事務作業(非権力的公務)であっても、適法な仕事ならすべて守る対象になる」と決めたんだ。
【判決】本人に触れなくても、力を使って邪魔をすれば「暴行」になる!
最高裁判所(昭和37年1月23日)は、次のような答えを出しました。
1. 「間接的な暴行」もアウト! 公務執行妨害罪にいう「暴行」とは、公務員に対して直接行われるものだけでなく、公務員に向けられて行われたものであれば、その身の回りの物など「間接的」に行われる不法な力の行使も含まれます。
2. 事務仕事も守られる! 警察などの「権力的」な仕事に限らず、適法に行われる非権力的な公務(事務的な仕事など)も、この法律によって保護されます。
【判決の核心】(出典:自治体法務検定テキストより)
「暴行は、直接・間接を問わず公務員に向けられた不法な有形力の行使とするのが判例……で、直接公務員に対するものだけでなく、執行の対象となった物に対する場合も認められています(参照:最判昭37・1・23刑集16巻1号11頁 ※テキスト779頁より)」,
まとめ:判決の後、日本はどう変わったの?
この判決は、日本の「抗議活動のルール」と「公務の守り方」を決定づけたよ。
– 「殴らなければいい」が通用しなくなった! この裁判の後、公務員本人に手を触れなくても、周囲で暴れたり物を激しく動かして邪魔をしたりすれば、公務執行妨害罪として逮捕されるという基準がはっきりしたんだ。
– 公立学校や役所の運営が安定した! 「権力的でない事務仕事も守られる」と決まったおかげで、学校の先生たちの会議や役所の窓口業務などが、暴力的な妨害から法的に守られるようになったんだね。
– 「組合運動」のやり方が見直された 当時は激しい労働運動が多かったけれど、この判決によって「力ずくでの封鎖」は犯罪になると厳しく示された。その後の日本の社会では、より平和的・対話的な解決が求められるようになっていったんだよ。
最後に
「暴力は、直接当たる力だけではない」。この1962年の決断のおかげで、今の日本では公務員が暴力的・物理的なプレッシャーに怯えることなく、私たちのための大切な仕事を続けられるようになっているんだね!