行政・法律の疑問 読了 5分

「『手伝い』じゃなくて『主役』でしょ!? お役人の談合への重い責任【東高判平19.12.7 鋼橋(こうきょう)談合事件】」

★ 判例データ

事件名:私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律違反事件(旧日本道路公団鉄構築談合事件東京高裁決定)
裁判所:年)12月7日に東京高等裁判所
判決日:平成19年12月7日

関係法令:
・刑法
・独占禁止法
・官製談合防止法
・自治体法

論点:
・(記事本文参照)

結論:
・記事本文参照

「『手伝い』じゃなくて『主役』でしょ!? お役人の談合への重い責任【東高判平19.12.7 鋼橋(こうきょう)談合事件】」

読者のみなさん、こんにちは! 今日は2007年(平成19年)12月7日に東京高等裁判所が出した、「お役所の人が業者の『談合(だんごう)』に関わったとき、どこまで重い責任を負うの?」という、入札の正義を問うた重要な裁判を紹介するよ。

以前、「業者の談合をこっそり助けた役人が『お助け役(幇助犯)』になった事件(1996年)」を紹介したけれど、今回の事件はさらに踏み込んで、「役人が談合の主役(共同正犯)として裁かれた」という、衝撃的なお話なんだ。役所の立場がどうあるべきか、一緒に考えてみよう!

【ストーリー】「受注の割り振りは私が決めます」 vs 「それは犯罪の主導だ!」

旧日本道路公団の元職員Aさん

「私は道路公団の担当者として、大規模な鋼橋(鉄の橋)の建設工事の発注に携わっていました。当時は業界の安定のため、どの工事をどの会社が取るか、裏で私が『受注調整(割り振り)』を主導していたんです。」
検察官(国側)

「Aさん、それはとんでもないことです。あなたが落札予定者を決め、業者に指示を出していたのは、自由な競争を根底から壊す『談合(独占禁止法違反の不当な取引制限)』そのものです!」
元職員Aさん

「でも、私は公団の職員であって、実際に利益を得る『業者(事業者)』ではありません。私はあくまで業者たちの話し合いを『整理・調整』してあげただけです。だから、私は主犯ではなく、せいぜい『お助け役』のはずです!」
検察官

「いいえ。あなたの関わり方は、単なる手伝いのレベルを超えています。自分の権限を使って談合を支配し、中心的な役割を果たしたあなたは、業者と一緒に犯罪を実行した『主役(共同正犯)』として裁かれるべきです!」

【解説】裁判所でのバトル:登場!「共同正犯(きょうどうせいはん)」という重い鎖

今回のバトルのポイントは、「直接のプレイヤー(業者)ではない役人が、談合という犯罪の『主役』になれるのか」ということだったんだ。

1. 「正犯(せいはん)」と「幇助(ほうじょ)」の違い:
– 正犯(主役): 自分で犯罪をコントロールし、実行したと評価される人。
– 幇助(お助け役): 主役がやりやすいように外から手助けした人。
2. なぜ「主役」と判断されたの?: 以前の事件では、役人は情報のヒントを出す程度だったけれど、今回のAさんは「誰が落札するか」を公団の権限を背景に実質的に決めていたんだ。裁判所は、「役人が談合の仕組みを作り、それを中心になって動かしていたなら、それはもう業者と一緒になって犯罪をやっているのと同じだよね」と考えたんだよ。
3. 結論:立場を超えた「共同責任」!: 裁判所は、Aさんが受注調整に深く関わり、重要な役割を果たしていたことから、独占禁止法違反の『共同正犯』として有罪を言い渡したんだ。

【判決】談合を主導した職員は、犯罪の「実行犯(共同正犯)」になります!

東京高等裁判所(平成19年12月7日)は、次のような答えを出しました。

1. 公務員の関与を「共同正犯」と認定! 業者間の受注調整にどのような立場・権限でどの程度関わり、どのような役割を果たしたか(自己の利益を図っていたか等)を検討した結果、本件の職員は犯罪の中心的役割を担った「共同正犯」にあたると判断されました。
2. 独占禁止法違反が成立! 事業者が行う不当な取引制限(談合)を、事業者ではない公務員が「主役」として実行したと認められ、厳しい刑事罰の対象となりました。

【判決の核心】(出典:自治体法務検定テキスト 刑法編より)

補足
「下級審裁判例では、業者間の調整にどのような立場・権限でどの程度関わりどのような役割を果たしていたか……などによって、共同正犯としたもの(東京高判平19・12・7判時1991号30頁)……があります(参照:テキスト786頁より)」

まとめ:判決の後、日本はどう変わったの?

この2007年の決断は、日本の「官製談合(かんせいだんごう)」に対するトドメの一撃になったよ!

– 「官製談合防止法」がさらに強化された! この事件のように、役人が談合を主導する「官製談合」が大きな社会問題になったことを受けて、「入札談合等関与行為防止法(官製談合防止法)」が整備されたんだ。
– 「そそのかし」だけでアウトになった! 2006年の法律改正では、役人が業者に談合をそそのかしたり、予定価格を教えたりした場合、業者が実際に談合を始める前であっても、その役人個人を独立して厳しく罰することができるルール(8条)が作られたんだ。
– 「公平な審判」としての公務員像が定着した 公務員は、特定の業者を勝たせる「応援団」ではなく、ルールを厳格に守らせる「審判」でなければならない、という意識が日本中の役所で徹底されるようになったんだね。

最後に

「お役所が決めたから」という理由で、公平な競争がゆがめられることは、結局、私たちの税金が無駄に使われることにつながるんだ。この平成19年の厳しい判決と新しい法律のおかげで、今の日本は、誰もが納得できるクリーンな入札を目指して進んでいるんだよ!

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