行政・法律の疑問 読了 5分

「体に悪くないなら、お仕置き(刑罰)はナシ! 安全なマッサージを守った判例【あん摩師等法違反事件】」

★ 判例データ

事件名:あん摩師はり師きゆう師及び柔道整復師法違反被告事件
裁判所:最高裁判所
判決日:昭和35年1月27日

関係法令:
・刑法
・あん摩師等法
・自治体法

論点:
・(記事本文参照)

結論:
・記事本文参照

「体に悪くないなら、お仕置き(刑罰)はナシ! 安全なマッサージを守った判例【あん摩師等法違反事件】」

読者のみなさん、こんにちは! 今日は1960年(昭和35年)1月27日に最高裁判所が出した、「体に良いことをしているのに、免許がないというだけで『犯罪者』にされちゃうの?」という、とても不思議で大切な裁判を紹介するよ。

マッサージなどの「医業類似行為(いぎょうるいじこうい)」というお仕事をする人たちが、どこまで自由に活動できるのか。その境界線を決めた、今の日本のリラクゼーションや整体などのルールにつながるお話を見てみよう!

【ストーリー】「みんなを元気にしたいだけ!」 vs 「免許がないならダメ!」

セラピストのAさん

「私は『HS療法』という独自の手当てで、たくさんの人を元気にしてきました。道具も使わないし、体にも優しいやり方です。みんな『楽になった』と喜んでくれています!」
保健所(国側)

「ちょっと待ってください。あなたは『あん摩師』や『はり師』などの国家資格をもっていませんよね? 法律(あん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復師法)では、免許がない人が治療のような真似(医業類似行為)をしてはいけないと決まっています。ルール違反だから、罰金を払ってもらいます!」
セラピストのAさん

「そんな! 確かに免許はないけれど、私のやり方は体に害を与えるような危ないものではありません。ただ『免許がないから』という理由だけで、安全な活動まで禁止して人を罰するのは、おかしくないですか?」
保健所(国側)

「裁判官さん! この法律は、デタラメな治療で国民の健康が損なわれないようにするためにあるんです。一律に禁止しないと、後で大変なことになります!」

【解説】裁判所でのバトル:登場!「法益(ほうえき)の物差し」

今回のバトルのポイントは、「誰にも迷惑をかけていない(むしろ喜ばれている)行為を、法律の文字通りに『犯罪』として罰していいのか?」ということなんだ。

1. お仕置きの理由(法益保護の原則): 刑法では、「守るべき大切な利益(法益:ほうえき)」が傷つけられたり、危なくなったりしたときだけ、人を罰することができるという大原則があるよ。
2. 今回の「守るべきもの」は何?: この法律が守りたいのは、「国民の健康」だよね。だったら、「健康を害するおそれがない」くらい安全な行為であれば、法律がわざわざ口出しして罰する必要はないはずだ、と裁判所は考えたんだ。
3. 結論:危なくないならセーフ!: 裁判所は、法律の言葉をそのまま当てはめるのではなく、「健康に害を与えるおそれがある場合に限って、罰することができる」という、新しい「安全チェックのフィルター(限定解釈)」を通すことにしたんだ。

【判決】健康を害するおそれがないなら、罰してはいけない!

最高裁判所(昭和35年1月27日)は、次のような答えを出しました。

1. 危ない時だけダメ! 医業類似行為(マッサージのような行為)を禁止して処罰するのは、その行為が「人の健康に害を及ぼすおそれ」がある場合に限られます。
2. 安全なら自由! もしその行為が、人の健康にちっとも害を与えないような安全なものであれば、それを禁止して処罰することは憲法に違反します。

【判決の核心】(出典:自治体法務検定テキスト 刑法編より)

補足
「法益保護の原則は、法益侵害のない行為を刑罰の対象とはできないとする原理です。判例では、医業類似行為に関する判例でこのことを伺わせる判断を示しています(最判昭35・1・27刑集14巻1号33頁)(参照:テキスト767頁より)」

判決の後、日本はどう変わったの?

この判決は、日本の「街中のリラクゼーション」の景色を大きく変えるきっかけになったよ!

– 色々な「整体」や「セラピー」が認められるようになった! 「国家資格はないけれど、安全にリラックスさせてくれるお店」が、堂々と営業できるようになったんだ。今の日本に整体院やカイロプラクティック、アロマセラピーなどが多いのは、この判決で「危なくなければOK」という道ができたからなんだよ。
– 「とりあえず禁止」にブレーキがかかった! お役所が「ルールに書いてあるからダメ」と言うだけでなく、「それは本当に誰かの利益を傷つけているの?」と中身を考えることが大切だ、という意識が強まったんだ。
– 「自由」と「安全」のバランス もちろん、本当に危ないデタラメな治療は今でも厳しく禁止されているよ。「危ないものは止めるけれど、安全なものはみんなの自由にする」。この当たり前で大切なバランスが、この昭和35年の決断によって守られるようになったんだね。

まとめ

– お仕置き(刑罰)は、「誰かの利益(法益)」を傷つけたときだけ!
– マッサージが犯罪になるのは、「健康に害を与えるおそれ」があるときだけ!
– このルールがあるからこそ、私たちは安心して自分に合ったリラックス方法を選べるんだね!

「ルールを守るためのルールではなく、みんなの幸せを守るためのルール」。この温かい判決が、今の日本の多様なお仕事を支えてくれているんだよ。

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