行政・法律の疑問 読了 4分

【ストーリー】「『いいね』しただけだよ!」 vs 「私の名誉を傷つけました!」

★ 判例データ

事件名:損害賠償請求事件
裁判所:最高裁判所
判決日:令和6年2月8日

関係法令:
・民法
・不法
・自治体法

論点:
・(記事本文参照)

結論:
・記事本文参照

ポチッと「いいね」しただけで「悪口」に加担したことになっちゃう!? SNS時代の新マナー【SNSの「いいね」と名誉毀損】

読者のみなさん、こんにちは! 今日は2024年(令和6年)2月8日に最高裁判所が決定を出した、SNSを使っている人なら全員に関係する、とっても新しくて重要なルールを紹介するよ。

「いいな」と思った投稿にボタンを押すだけの「いいね」。でも、その一押しが法律違反(不法行為)になってしまうかもしれない……。そんな、ネットの世界の「当たり前」をガラリと変えた事件を見てみよう!

【ストーリー】「『いいね』しただけだよ!」 vs 「私の名誉を傷つけました!」

Aさん(被害を受けた女性ジャーナリスト)

「ネット上で私のことをひどい言葉で攻撃したり、デタラメな情報を流したりしている投稿がたくさんあります。毎日それを見て、私は本当に苦しんでいます……。」
Bさん(「いいね」を押した人)

「それはお気の毒に。でも、私はその悪口を書いた本人じゃありませんよ。ただ、その投稿を読んで『なるほど』と思って『いいね』ボタンを何回かポチッと押しただけです。」
Aさん(被害を受けた女性ジャーナリスト)

「いいえ、あなたは有名な人で影響力もあります。そんなあなたが悪口の投稿に何度も『いいね』を連発することで、その悪口がまるで『正しいこと』のようにみんなに広まってしまいました。これはあなたが私の悪口を言っているのと同じです!」
Bさん(「いいね」を押した人)

「そんなバカな! 『いいね』なんて、ただの挨拶みたいなものですよ。ボタン一つで裁判沙汰になるなんて、表現の自由がなくなっちゃうじゃないですか。裁判官さん、こんなの認められませんよね?」

【解説】裁判所でのバトル:登場!「肯定のスタンプ」と「執拗なポチり」

今回のバトルのポイントは、自分で文章を書いていなくても、ボタンを押すだけで「相手を攻撃した責任」を負うのか、ということなんだ。

1. 「いいね」は「賛成」のサイン?: 裁判所はこう考えたよ。「SNSの『いいね』は、単なる記録じゃない。多くの場合、その投稿の内容を『肯定』したり『応援』したりする意思を伝えるものだよね」。
2. 魔法の言葉「執拗(しつよう)」と「嫌がらせ」: もちろん、1回「いいね」を押しただけで即アウトになるわけじゃないよ。今回の事件では、「相手を傷つける内容だと分かっていながら、何度も何度も、しつこく『いいね』を繰り返した」ことが、「嫌がらせ(名誉感情の侵害)」だと判断されたんだ。
3. 影響力という「拡声器」: 特にフォロワーが多い人などが「いいね」を押すと、その悪口がたくさんの人の目に触れるようになるよね。これは、自分では何も言わなくても、「悪口の拡声器」を支えているのと同じだと考えられたんだよ。

【判決】相手を傷つける投稿に「いいね」を連発するのは、法律違反!

最高裁判所(令和6年2月8日)は、高裁の判決を認めて次のような答えを出しました。

1. 「いいね」による名誉毀損を初めて認めた! 投稿内容が他人の名誉を著しく傷つけるものであり、押した人が相手を攻撃する意図で執拗に「いいね」を繰り返した場合には、不法行為として損害賠償の責任が発生します。
2. ボタン一つにも責任が伴う! 自分で言葉を発していなくても、肯定的なアクション(いいね)を繰り返すことは、相手への攻撃に加担しているとみなされる場合がある、とはっきり示されたんだ。

【判決の核心】

補足
「『いいね』のボタンを押しただけで名誉毀損にあたるとした高裁判決を是認した(参照:最決令6・2・8 LEX/DB25620204 ※テキスト745頁 脚注2より)」

まとめ:判決の後、日本はどう変わったの?

この判決は、日本のSNSの使い方に「激震」を走らせたよ!

– 「ポチり」の前に一瞬止まる習慣がついた! 「自分が書いたわけじゃないから大丈夫」という言い訳が通らなくなったんだ。みんなが「この投稿に賛成していいのかな?」と、自分の指先に責任感を持つようになったよ。
– デジタルいじめの抑止力になった! 悪口を言う人だけでなく、それを「いいね」で盛り上げている周囲の人にもブレーキがかかるようになった。これで、ネット上の一方的な攻撃が少しずつ減っていくことが期待されているんだ。
– 「ネットのマナー」が「法律のルール」へ 単なる「行儀の良さ」の問題ではなく、「相手の心を傷つけたら賠償金を払う」という厳しい現実が突きつけられたことで、日本のネット社会がより誠実で優しい場所へと進化し始めたんだね。

最後に

「あなたの指先が、誰かを守ることもあれば、深く傷つけることもある」。この2024年の決断は、便利なSNSを安心して使い続けるために、私たちが持つべき「新しい心のブレーキ」を教えてくれているんだよ!

この判例、ほかの時代の判例ともつながっています
「判例年次索引」で明治〜令和の判例をまとめて見られます。
索引を見る
新着の「ムダ知識」をメールで
週1回、選りすぐりの疑問だけ届きます。
登録する