事件名:在外国民最高裁判所裁判官国民審査権制限違憲訴訟
裁判所:最高裁判所
判決日:令和4年5月25日
関係法令:
・憲法
・地方自治法
・自治体法
論点:
・違憲判決
結論:
・記事本文参照
「海外にいても裁判官をチェックしたい! 『国民の審査』をあきらめないでいいっていう判例【在外国民最高裁判所裁判官国民審査権制限違憲訴訟】」
読者のみなさん、こんにちは! 今日は2022年(令和4年)に最高裁判所が出した、「海外で暮らす日本人も、最高裁判所の裁判官がふさわしいかどうかチェックできるの?」という、民主主義の根本に関わる大切な裁判を紹介するよ。
選挙で投票するのと同じくらい大事な「裁判官を審査する権利」が、世界中どこにいても守られることになったお話なんだ。
【ストーリー】「私たちは日本国民です!」 vs 「海外からの投票は準備が大変すぎる」
私たちは仕事や勉強で海外に住んでいますが、日本の未来を心配する日本国民です。衆議院選挙の投票は海外からもできるのに、どうして同時に行われる「最高裁判所裁判官の国民審査」には投票できないんですか?
Aさん、お気持ちは分かりますが、国民審査は対象となる裁判官の人数も多いですし、短期間で世界中から票を集めて集計するのは、今のシステムでは技術的にとても難しいんです。
そんなの言い訳です! 裁判官は、私たちの人権を守る最後の砦(とりで)ですよね。その裁判官を国民がチェックする「国民審査」は、憲法で認められた私たちの大切な権利(参政権)のはずです。それを「難しいから」という理由でゼロにするのは、あまりに不公平です! 裁判官さん、海外にいても審査に参加させてください!
【解説】裁判所でのバトル:登場!「主権者のストップボタン」と「やむをえない事情」
「二人とも落ち着いて。今回のバトルのポイントは、国民審査が『選挙権』と同じくらい強力な国民の武器(主権者の権能)なのか、ということなんだ」。
1. 「国民審査」は魔法のストップボタン: 国民審査は、国のみんなが決めた裁判官に対して、国民が直接「この人でいいかな?」と判断を下す、国民主権(くにの主役は国民!)の原則にもとづく大切な権利なんだ。
2. 選挙権と同じ「お守り」: 裁判所はこう考えたよ。「審査する権利は、国を動かすリーダーを選ぶ『選挙権』と同じような性質をもっている。国民が主権者としてもっている、とても重い権利なんだよ」。
3. 「難しい」は理由にならない: 「たしかに準備は大変かもしれないけれど、国民の権利を根こそぎ奪ってしまうほどの『やむをえない理由』とはいえないね。海外にいても投票できる仕組みを整える義務が、国にはあるんだよ」と判断されたんだ。
【判決】海外に住む人に審査を認めないのは、憲法違反!
最高裁判所(令和4年5月25日)は、次のような答えを出しました。
1. 「国民審査」は憲法上の権利! 審査権は、国民主権の原理に基づく主権者の権能の一つであり、選挙権と同様の性質をもっています。
2. 制限するのは許されない(違憲)! 在外国民に対して審査権の行使を全く認めていなかった当時の法律(最高裁判所裁判官国民審査法)は、憲法15条1項、79条2項、3項に違反します。
【判決の言葉】
「……審査権が国民主権の原理に基づく主権者の権能の一内容である点において選挙権と同様の性質を有することなどから、最高裁判所裁判官国民審査法(当時)が在外国民に審査権の行使を全く認めていないことは、憲法15条1項、79条2項、3項に違反する……」
まとめ:判決の後、日本はどう変わったの?
この判決を受けて、日本の法律と選挙の仕組みが大きく動き出したよ。
– 海外からの「国民審査」がついにスタート! 判決のあとに法律が作り直され、2024年の衆議院総選挙からは、海外に住む人たちも最高裁判所の裁判官を審査する投票ができるようになったんだ。
– 「国民の権利」への意識が強まった 「技術的に大変だから」というお役所の都合よりも、憲法が保障する「国民一人ひとりの声」の方がずっと重い、ということがはっきり示されたんだね。
– デジタル化への期待 世界中どこにいてもスムーズに投票できるよう、行政のデジタル化をさらに進めていくきっかけにもなったんだよ。
最後に
「日本のどこにいても、世界のどこにいても、あなたは日本を動かす主役の一人」。この判例は、どんなに離れていても「日本国民」としての誇りと権利は消えないことを教えてくれる、とても心強い一歩だったんだよ。
条文補足:日本国憲法第十五条
公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。