行政・法律の疑問 読了 4分

リツイートしただけなのに「作者の名前を消した」と言われちゃう!? SNS時代の新しいルール【Twitterリツイート事件】

★ 判例データ

事件名:損害賠償請求事件
裁判所:最高裁判所
判決日:令和2年7月9日

関係法令:
・民法
・自治体法

論点:
・(記事本文参照)

結論:
・記事本文参照

リツイートしただけなのに「作者の名前を消した」と言われちゃう!? SNS時代の新しいルール【Twitterリツイート事件】

読者のみなさん、こんにちは! 今日は2020年(令和2年)に出された、今のSNS社会に生きる私たちにとって、とっても身近でちょっと怖い裁判を紹介するよ。

「いい写真だな」と思って「リツイート」ボタンを押しただけなのに、それが法律違反(権利の侵害)になってしまうかもしれない……。そんな、スマホの中の「当たり前」を考え直させた事件を見てみよう!

【ストーリー】「リツイートしただけだよ!」 vs 「私の名前が消えています!」

写真家のAさん

「私は一生懸命撮った写真を、自分の名前(クレジット)を入れてTwitter(現在のX)に投稿しました。私の作品だと知ってほしかったからです。」
リツイートしたBさん

「わあ、素敵な写真! みんなにも教えよう。ポチッ(リツイート)。」
写真家のAさん

「ちょっと待ってください! Bさんがリツイートした画面を見ると、私の名前が入っていた部分が切り取られて(トリミングされて)表示されています。これでは、誰が撮った写真か分からなくなってしまいます!」
リツイートしたBさん

「えっ、そんなの私のせいじゃないですよ! Twitterの仕組みが勝手に写真を四角く切り取って表示しただけです。私はただボタンを押しただけで、写真を加工したわけではありません。」
写真家のAさん

「仕組みのせいだとしても、そのボタンを押して私の名前を消した状態で広めたのはBさんです。これは著作者(作者)としての私の『名前を表示する権利(氏名表示権)』を無視しています! 裁判官さん、Bさんの情報を教えてください(発信者情報開示請求)!」

【解説】裁判所でのバトル:登場!「自動トリミングの落とし穴」と「送信者の責任」

今回のバトルのポイントは、SNSのシステムが勝手にやったことでも、ボタンを押した本人の責任になるのか、ということなんだ。

1. 「氏名表示権(しめいひょうじけん)」という大切な権利: 自分の作品に自分の名前を出すか出さないか決める権利のことだよ。これは「心の権利」としてとても大切にされているんだ。
2. SNSの「自動トリミング」の魔法: TwitterなどのSNSでは、タイムラインに写真を表示するとき、全体ではなく真ん中あたりを勝手に切り取って表示することがあるよね。この「魔法」のせいで、端っこに書いてあった作者の名前が消えてしまったんだ。
3. 「誰が」送ったかが重要!: 裁判所はこう考えたよ。「たとえSNSの仕組みが勝手に切り取ったとしても、その画面を表示させてみんなに送るきっかけを作ったのは、リツイートボタンを押したBさんだよね。だから、その結果として名前が消えてしまったなら、Bさんが権利を侵害したことになっちゃうんだ」と判断したんだ。

【判決】SNSの仕組みのせいでも、名前が消えたらリツイートした人の責任!

最高裁判所(令和2年7月21日 ※索引では7月9日と記載)は、次のような答えを出しました。

1. リツイートは「氏名表示権」の侵害になる! リツイートによって写真が自動的にトリミングされ、作者の名前が表示されなくなった場合、リツイートした人は作者の「名前を表示する権利」を侵害したことになります。
2. システムのせいにできない! たとえSNSの仕組みであっても、その操作をしたのはユーザー。結果的に名前が消えた状態でフォロワーに届けば、それはユーザーの責任として扱われます。

【判決の言葉】

補足
「写真をリツイートした者が、当初表示されていた写真投稿者の氏名が表示されていなかったため(中略)氏名権(氏名表示権)侵害になるとした(参照:最判令2・7・21民集74巻4号1407頁 ※テキスト743頁 脚注2より)」

まとめ:判決の後、日本はどう変わったの?

この判決は、日本のSNSの使い方に大きな衝撃を与えたよ!

– 「リツイートのリスク」が常識になった! 「リツイートはただの拡散だから責任はない」という思い込みが消えて、「他人の画像を流すときは、表示がどうなっているか確認しなきゃ」とみんなが気をつけるきっかけになったんだ。
– SNSプラットフォーム側の変化 この判決を受けて、SNSの運営会社も「勝手なトリミングでユーザーが裁判に巻き込まれないように」と、画像の表示の仕方を工夫したり、設定を変えたりする動きにつながったよ。
– クリエイターを守る意識の高まり ネット上で簡単に画像をコピーしたりシェアしたりできるけれど、その裏には「作者の気持ち(権利)」があることが、法律の力ではっきりと示されたんだね。

最後に

「ボタン一つで世界中に広がるけれど、その一押しには責任が伴う」。この令和2年の判決のおかげで、私たちはSNSという便利な道具を使いながらも、他人の作品や権利を傷つけないための「新しいマナー」を学ぶことができたんだね!

この判例、ほかの時代の判例ともつながっています
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