事件名:地方公務員法違反被告事件(岩手県教組事件第二次上告審判決)
裁判所:最高裁判所
判決日:平成8年11月18日
関係法令:
・刑法
・違法
・地方公務員法
・自治体法
論点:
・責任主義
結論:
・記事本文参照
「『悪いことだと思わなかった』は言い訳にならない!? 法律を知る責任を教えてくれる判例【岩手県教組事件(第二次上告審)】」
読者のみなさん、こんにちは! 今日は1996年(平成8年)11月18日に最高裁判所が出した、「法律の解釈がむずかしくて、自分のやっていることが罪になるとは思わなかった!」という言い訳が通用するのかをめぐる、とても厳しいお話を紹介するよ。
物語の舞台は、先生たちが「学力テスト」に反対してストライキ(仕事を休んで抗議すること)をした事件。裁判が30年以上も続く中で、「ルールが変わったなんて知らなかった!」という主張に、裁判所はどう答えたのか見てみよう!
【ストーリー】「昔の裁判所はいいって言ったじゃない!」 vs 「今のルールはダメなんだ!」
「私たちは、子どもたちの教育を守るためにストライキをしました。昔の最高裁の判決では、『公務員のストライキでも、ひどいものでなければ罰せられない』というルール(全逓中郵事件などの考え方)があったはずです。だから、私たちの行動は罪にならないと信じていました。」
「それはもう古い話です。その後の別の裁判(全農林警職法事件)で、最高裁は『公務員のストライキをあおる行為は、どんな場合でもダメだ』とルールを新しく、厳しく書き換えたんです。だから、あなたたちの行為は立派な法律(地方公務員法)違反です!」
「そんな! ルールがコロコロ変わる中で、『自分のやっていることが犯罪だ(違法だ)』という自覚(違法性の意識)がない人を罰するのは、あまりにひどすぎませんか? 裁判所さん、私が『悪いことだ』と気づけなかったことを考えてください!」
【解説】裁判所でのバトル:登場!「違法性の意識」と「法律を知る義務」
今回のバトルのポイントは、犯罪が成立するために「これは法律に違反している」という確信が必要なのか、ということなんだ。
1. 「故意(わざと)」のストライクゾーン: 刑法では、自分のやっている「行動の内容」を分かっていれば、それが「法律違反だ」とまで知らなくても、基本的には「わざと(故意)」があったとみなされるよ。
2. 魔法の言葉「違法性の意識(いほうせいのいしき)」: 「これは悪いことだ」という自覚のことを「違法性の意識」というけれど、最高裁判所は昔から一貫して、「犯罪が成立するために、わざわざ『違法だ』と知っている必要はない」という立場をとっているんだ。
3. 結論:言い訳は認めない!: たとえ裁判所の判断が途中で変わって、以前よりルールが厳しくなったとしても、その行動自体を自分の意思でやった以上は、「悪いことだと思わなかった」からといって、罪を免れることはできないと判断されたんだよ。
【判決】法律を知らなくても、行動の自覚があれば罪は成立する!
最高裁判所(平成8年11月18日)は、次のような答えを出しました。
1. 「違法性の意識」は不要! 自分の行っている事実(ストライキをあおる行為など)さえ認識していれば、それが法律に違反しているという認識がなくても、犯罪は成立します。
2. 裁判の変更も関係なし! 過去のゆるやかな判例を信じていたとしても、それが現在の法律に違反する以上、処罰を免れることはできないと判断されました。
【判決の核心】
「大判大13・8・5大刑集3巻611頁、最判昭25・11・28刑集4巻12号2463頁など、違法性の意識は不要という形で示しています(最判平8・11・18刑集50巻10号745頁も補足意見が論及するにとどまっています)(参照:テキスト774頁 脚注25より)」
まとめ:判決の後、日本はどう変わったの?
この判決は、公務員のルールと、国民の「責任」の取り方をよりはっきりとさせたよ!
– 公務員の「ストライキ禁止」が絶対的なものになった! 「場合によっては許されるかも?」という甘い期待が完全に打ち砕かれ、地方公務員がストライキに関わることは非常に重い責任を伴うことが日本中に再確認されたんだ。
– 「法律を知る努力」がより重要になった! 特に自治体職員は、住民の代表として「法律を守る」立場にある。だからこそ、「そんなルールは知らなかった」という言い訳が最も通用しない職業であることが改めて示されたんだね。
– 「責任」の考え方が固まった 今の日本では、何か悪いことをした時に「知らなかった」と逃げるのではなく、「ルールを正しく知って、正しく行動する」という自己責任の意識が社会の土台となっているんだよ。
最後に
「ルールは、そこに存在するだけで私たちを縛る力をもっている」。この1996年の決断は、公務員として、そして社会の一員として、自分たちが従うべきルールをしっかり理解しておくことの大切さを教えてくれているんだね!