事件名:地方自治法251条の7第1項の規定に基づく不作為の違法確認請求事件
裁判所:最高裁判所
判決日:平成28年12月20日
関係法令:
・行政法
・地方自治法
・不作為の違法
・自治体法
論点:
・辺野古訴訟
・不作為の違法確認訴訟
結論:
・記事本文参照
「お役所の『何もしない』も罪になる!? 国と地方のルールをはっきりさせた判例【辺野古不作為(ふさくい)違法確認訴訟】」
読者のみなさん、こんにちは! 今日は2016年(平成28年)12月20日に最高裁判所が出した、「お役所(地方自治体)が国からの命令を無視して『何もしない』とき、それは許されるのか?」という、とても大きなケンカの決着がついたお話を紹介するよ。
国と沖縄県が、基地を作るための海を埋め立てる計画をめぐって、法律の力を使ってどう戦ったのか、ドラマチックな展開を見てみよう!
【ストーリー】「承認を消してやる!」 vs 「命令を無視するのはズルい!」
辺野古の海を埋め立てる「承認」は、前の知事が出したものだけど、調べ直したらやっぱりダメだ! 県として、この承認を「取り消し」ます! 工事はストップです!
ちょっと待ってください! 私たちが調べたところ、その承認に間違いはありませんでした。 だから、県が出した「承認の取り消し」こそが間違いです。 地方自治法というルールに基づいて、「是正(ぜせい)の指示」を出します。 すぐに「取り消し」を撤回(てっかい)して、元に戻しなさい!
……(知事は、国の方針に納得がいかないので、指示に従わず、かといって国を訴えることもしませんでした)。
指示を出したのに、何もしてくれないなんて! これではいつまでも問題が解決しません。 2012年(平成24年)に新しくできた「武器(不作為の違法確認訴訟)」を使って、県が「やるべきことをやらないのはルール違反だ!」と裁判所に訴えます!
【解説】裁判所でのバトル:登場!「不作為(ふさくい)という罪」と「新しい武器」
「二人とも落ち着いて。今回のバトルのポイントは、お役所がやるべき命令(是正の指示)を受けたのに、それを無視して『何もしないこと(不作為)』が、法律違反になるのか、ということなんだ」。
1. 「不作為(ふさくい)」ってなに?: 法律の世界では、「やるべきことをわざとやらないこと」を不作為と呼ぶよ。 昔は、国が自治体を直接訴える方法はあまりなかったけれど、自治体が国の命令を無視して事態がフリーズしてしまうのを防ぐために、新しい裁判の仕組みが作られたんだ。
2. 「是正(ぜせい)の指示」の重み: 国が出す「是正の指示」には、法的な「守らなきゃいけない力(拘束力)」がある。 自治体がその指示を「おかしい」と思うなら、委員会に相談したり自分から裁判を起こしたりして争うことができるけれど、ただ無視し続けることは許されないと考えられたんだ。
3. 大元の「承認」は正しかったの?: 裁判所は、そもそも最初の埋め立て承認が正しかったのかもチェックしたよ。 その結果、「最初の承認はルール通りだったから、それを後から県が取り消したのは間違いだ」と判断したんだ。
【判決】国の指示に従わずに放置するのは、法律違反(違法)である!
最高裁判所(平成28年12月20日)は、次のような答えを出しました。
1. 知事の「何もしない」はアウト! 国土交通大臣の是正の指示に理由がある(適法である)以上、知事が承認の取り消しを撤回しないことは、不作為の違法にあたります。
2. 最初の承認は有効! 大元の埋め立て承認に、取り消されるほどの重大なルール違反はなかった、と判断されました。
【判決の言葉】
「……本件埋立承認が違法であるとはいえず、……〔中略〕……本件承認取消しを取り消さないことは、本件指示に係る措置を講じないものであるから、同条1項所定の不作為の違法に該当する……」
まとめ:判決の後、日本はどう変わったの?
この判決は、国と地方の「ケンカの終わらせ方」を劇的に変えることになったよ。
– 「国の最終的な強制力」が強まった! 自治体が国の命令に黙って抵抗し続けることができなくなったんだ。 裁判で負けたら、自治体は必ず行動しなければならないことがハッキリしたんだよ。
– 「代執行(だいしっこう)」への道ができた! この裁判で「県が何もしないのは違反だ」と決まったことで、それでも県が動かない場合には、国が代わりにハンコを押して仕事を進める「代執行」という最終手段が、現実的に使われる流れになったんだ。
– 「国と地方の対等」の難しさがわかった 2000年の改革で「国と地方は対等」になったはずだけれど、最後は法的な手続き(裁判)によって、国が自治体を動かせることが示された。 これにより、今の日本は「どうやってお互いに話し合って解決するか」の重要性が、今まで以上に叫ばれるようになったんだね。
最後に
「嫌だからといって、ルールで決まった命令を無視してはいけない」。当たり前のことのようだけれど、国と地方という巨大な組織同士でも、最後は裁判という「公平なレフェリー」がルールを守らせる。今の日本の地方自治がもつ、とても厳しくて大切な仕組みを確認した判例だったんだよ。