事件名:選挙権確認請求事件(成年被後見人選挙権訴訟)
裁判所:東京地方裁判所
判決日:平成25年3月14日
関係法令:
・公職選挙法11条1項1号
・憲法15条(選挙権)
・憲法14条(平等原則)
論点:
・成年被後見人の選挙権一律制限の合憲性
・やむをえない理由による制限の要否
・選挙権の重要性と過剰制限
結論:
・成年被後見人の選挙権を奪う公職選挙法規定は憲法違反
こんにちは! みんなは「選挙(せんきょ)」って知っているかな? 18歳になったら、自分たちの代表を選ぶために1票を投じる大切な権利(選挙権)をもらえるんだ。 でも、以前の日本のルールでは、「病気などで判断力が不十分だから、助けてくれる人(成年後見人:せいねんこうけんにん)を付けてもらった人」は、自動的に選挙権を奪(うば)われてしまっていたんだ。 「助けてもらうことと、選挙権を奪われることは別のはずだ!」と国を訴えた、歴史的な裁判を見てみよう。
【ストーリー】「私は1人の国民です!」 vs 「判断が難しい人は投票できません」
私は重い障害(しょうがい)がありますが、日本の未来のために選挙で投票したいと思っています。でも、役所の人に「あなたは成年後見人が付いているから、法律(公職選挙法)で投票できないことになっています」と言われました。
Aさん、申し訳ありません。公職選挙法11条1項1号には「成年被後見人は、選挙権及び被選挙権を有しない」とはっきり書かれているんです。判断力が不十分な方が投票すると、選挙の公平性が保てなくなるおそれがあるからです。
そんなのひどいです! 私はたしかに生活のサポート(成年後見)は必要ですが、政治に関心もあるし、自分の意思も持っています。助けが必要な人を十把一絡(じっぱひとから)げに「ダメ」と決めつけるのは、憲法(けんぽう)が守る「平等」や「選挙権」に違反(いはん)しています!
【解説】裁判所でのバトル:登場!「民主主義の命とやむをえない理由」
「二人とも落ち着いて。今回のバトルのポイントは、国民の宝物である『選挙権』を、国が特定の理由で一律(いちりつ)に奪っていいのか、ということなんだ」
裁判所は、この問題を解決するために、以前の「在外日本人選挙権制限違憲訴訟」などでも使われた「厳しい物差し」を使ったよ。
1. 「選挙権」は民主主義の土台!: 裁判所はこう考えたんだ。「選挙権は、国民が政治に参加するための最も基本的な権利だ。これを制限(せいげん)するためには、どうしても制限しなきゃいけない『やむをえない理由』が必要なんだよ」。
2. 「一律にダメ」はやりすぎ!: 国は「公平な選挙のためだ」と言ったけれど、裁判所は「成年後見人を付けているからといって、全員が投票の意味を理解できないわけではない。個別に判断せず、一律に全員の権利を奪うのは、必要以上に厳しすぎる(過剰な制限だ)」と判断したんだ。
【判決】成年被後見人の選挙権を認めないルールは「憲法違反」!
東京地方裁判所(平成25年3月14日)は、次のような答えを出しました。
1. 公職選挙法の規定は憲法違反! 公職選挙法11条1項1号のうち、成年被後見人は選挙権を有しないとした部分は、憲法15条1項などに違反して無効であると判断されました。
2. Aさんの権利を認めた! Aさんが選挙において投票できる権利(法律上の地位)をもっていることをはっきりと認めました。
【判決の言葉】
> 東京地方裁判所の判決(平成25年3月14日)より 「公職選挙法一一条一項一号のうち、成年被後見人は選挙権を有しないとした部分は、憲法一五条一項(等)に違反する。」
【追記】判決の後、日本はどう変わったの?
(※以下の内容は一般的な背景知識とソースに基づき構成しています。)
この判決は、日本の「障害者福祉(ふくし)」と「民主主義」の歴史を大きく動かしたよ。
– 法律がすぐに書き換えられた! この判決のあと、国会はすぐに動き、2013年(平成25年)5月に公職選挙法を改正して、「成年被後見人は投票できない」というルールを削除(さくじょ)したんだ。
– 約16万人が権利を取り戻した! (※ソース外の情報)この改正によって、それまで投票できなかった約16万人の成年被後見人の人たちが、再び選挙に行けるようになったんだよ。
– 「障害があっても市民である」という意識の定着! 「判断力が低いから権利を奪う」のではなく、「どうすればその人が権利を行使できるかサポートする」という考え方が、今の日本の社会でより大切にされるきっかけになったんだね。
まとめ
– 選挙権は、国民がもっている最も大切な権利の一つ。
– 「成年被後見人だから」という理由だけで一律に投票を禁止することは、憲法違反。
– この判決のおかげで、サポートが必要な人たちも当たり前に政治に参加できる社会に変わったんだね!
「助けてもらうこと」は「恥ずべきこと」でも「権利を失うこと」でもない。誰もが等しく社会の主人公であるということを、裁判所が守ってくれた大切な事件だったんだよ。
条文補足:日本国憲法第十五条
公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。