行政・法律の疑問 読了 5分

普通の人も裁判官!? みんなで正義を考える「裁判員制度」はOKだよっていう判例【裁判員制度違憲訴訟】

★ 判例データ

事件名:覚せい剤取締法違反、関税法違反被告事件(裁判員制度違憲訴訟)
裁判所:最高裁判所大法廷
判決日:平成23年11月16日

関係法令:
・裁判員の参加する刑事裁判に関する法律
・憲法32条(裁判を受ける権利)
・憲法76条(司法権の独立)

論点:
・裁判員制度の合憲性
・国民の司法参加と裁判を受ける権利
・裁判員制度と職業裁判官の独立性

結論:
・裁判員制度は憲法に違反しない

こんにちは! みんなは「裁判員(さいばんいん)」という言葉を聞いたことがあるかな? 大きな事件の裁判で、くじ引きで選ばれた普通の市民が、プロの裁判官と一緒に「被告人は有罪か、無罪か」「罰はどうするか」を決める仕組みのことなんだ。 今日は、この「プロじゃない人が裁判をするのは憲法違反だ!」と訴えが起きた、日本の司法の歴史を大きく変えた裁判について紹介するよ。

【ストーリー】「プロに裁かれたい!」 vs 「みんなの感覚を裁判に!」

被告人のAさん

私は覚醒剤(かくせいざい)を密輸(みつゆ)したという疑いで裁判にかけられています。でも、私の運命を決めるのが、法律の知識がない普通の市民(裁判員)だなんて納得いきません! 憲法32条には「裁判を受ける権利」があると書いてあるし、76条には「裁判所」が裁判をすると書いてあります。プロじゃない人が混じっているのは、憲法が認める「裁判所」ではないはずです!
国の担当者

Aさん、そうではありません。裁判員制度は、国民のみなさんの感覚を裁判に反映させ、司法をより身近で分かりやすいものにするために作られた、民主主義のための大切な仕組みなんです。
Aさん

そんなの勝手な言い分です! 憲法が守っているのは「法律のプロによる正しい裁判」のはずです。専門家じゃない人に裁かれるのは、私の権利を侵害(しんがい)しています! 裁判員制度は憲法違反です!

【解説】裁判所でのバトル:登場!「プロの技とみんなのスパイス」

「二人とも落ち着いて。今回のバトルのポイントは、憲法がいう『裁判所』の中に、市民が参加する形も含まれるのか、ということなんだ」

裁判所は、この難しいパズルを次のような「正義のバランス」で解き明かしたよ。

1. 「裁判所」の器は広い!: 憲法にはたしかに「裁判所」と書いてあるけれど、裁判所はこう考えたんだ。「『裁判所』という器(うつわ)の中に、プロの裁判官だけでなく、国民が参加して一緒に判断する仕組みを入れても、それは憲法がダメだと言っているわけではないんだよ」ってね。

2. 公平な「チーム」ならOK!: 裁判所はさらにこう言ったんだ。「大切なのは、その裁判が公平で、証拠(しょうこ)に基づいて正しく行われること。プロの裁判官がしっかりリードして、市民と一緒に真剣に考えれば、それは立派な『裁判所』としての役割を果たしているといえるんだ」。

3. 民主主義の新しいカタチ: 「国民が裁判に参加することは、主権者(しゅけんしゃ:国の主人公)として、国の仕組みを支える大事なことなんだ」と、裁判員制度に「合格のスタンプ」を押したんだね。

【判決】裁判員制度は「憲法に違反しない(合憲)」!

最高裁判所大法廷(平成23年11月16日)は、次のような答えを出しました。

1. 裁判員制度は憲法違反ではない! 裁判官と市民が一緒に構成する裁判体は、憲法31条、32条、37条1項が保障する「公平な裁判所」にあたると判断されました。
2. 適正な裁判が保障されている! この仕組みであっても、法と証拠に基づいた正しい裁判が行われることは制度的に十分守られていると認められました。

【判決の言葉】

> 最高裁判所の判決(平成23年11月16日)より 「裁判員制度の仕組みを考慮すれば、公平な『裁判所』における法と証拠に基づく適正な裁判が行われること(憲法31条・32条・37条1項)は制度的に十分保障されている。」

【追記】判決の後、日本はどう変わったの?

(※以下の内容はソースの記述に加え、一般的な背景知識を含めて構成しています。)

この判決で「裁判員制度はOK!」とはっきりしたことで、日本の裁判はより「開かれた場所」に変わっていったよ。

– 裁判の言葉が分かりやすくなった! 昔は難しい法律用語ばかりだったけれど、普通の人が参加するようになってから、裁判官や弁護士さんが「分かりやすい言葉」で説明する努力をするようになったんだ。
– 「国民の感覚」が刑の重さに反映されるようになった! 「この事件は、社会として許せない」という市民の厳しい感覚や、逆に「この事情なら少し同情できる」という柔軟な感覚が、具体的な判決(罰の重さ)に反映されるようになったよ。
– 司法への関心が高まった! 一生に一度、裁判員に選ばれるかもしれないということで、多くの人が「自分たちの国の法律や正義はどうあるべきか」を自分事として考えるきっかけになったんだ。

まとめ

– 裁判員制度は、市民がプロの裁判官と一緒に裁判を行う、民主主義のための制度。
– 最高裁判所は、市民が参加していても公平な「裁判所」といえるので、憲法違反ではないと認めた。
– この判決のおかげで、今の日本は「国民みんなで正義を支える」という新しいステージに進んでいるんだね!

「裁判は遠い世界の出来事」ではなく、「みんなで考え、守っていくもの」。裁判所は、司法という大きな扉を、国民全員に向けて開いてくれたんだよ。

補足
条文補足:日本国憲法第三十二条
何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。
補足
条文補足:日本国憲法第三十一条
何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。
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